アレクサンドロスの旅 14 エフェソス トルコ

alexander アレクサンドロス大王

alexander’s journey efesus turkey アレクサンドロス大王の東征

前4世紀、アレクサンドロス大王はペルシア討伐に出発
中東を経てからインドにいたる旅を21世紀に歩きます

前334年初夏?
アレクサンドロス大王率いるギリシア軍はサルディスを出発。
4日目に海浜都市エフェソスに到着しました。

小アジア エーゲ海地図 アレクサンドロス大王
アジア上陸後、マケドニア軍が進んだ主な場所 一番下がエフェソス

グラニコス合戦でのギリシア軍勝利はエフェソスにも伝わり、駐留していたペルシアの傭兵隊はすでに逃亡、この町もサルディスと同じく事実上の無血開城でした。

エフェソスは紀元前11世紀に移住したイオニア人が建設、そして紀元前6~5世紀にペルシアの勢力下にあり、アレクサンドロス時代の後はローマ都市として栄えました。

エフェソス 大劇場 アレクサンドロス大王 ephesus turkey
大劇場跡 奥に見えるのは港への道路 はるか遠方に海が見える

古代はエーゲ海の港湾都市でしたが、現在は堆積作用によって海岸から2~3kmも内陸にあります。
「アレクサンドロスの旅」は2千年の時を経て、このように地形まで変わった場所にめぐり合います。

エフェソス トルコ  ephesus turkey
ハドリアヌス神殿とクレテス通り 美しい坂道

現在のエフェソスはほとんどがローマ時代の建築物で、緩やかな丘陵に沿って美しい神殿や劇場がバランスよく並んでいます。その魅力的な街並みに惹かれ過去3回も訪れました。
当然、世界遺産であると思い込んでいましが、実は3回ともに遺産指定前でした。

エフェソス ケルスス図書館 トルコ ephesus turkey
ケルスス図書館 エフェソスの代表的な建築

この稿の下調べで、2015年に世界遺産になったことを知りましたが、一時は大ブームだった世界遺産の、その認定順に疑問を抱いた名所史跡の一つです。

エフェソス遺跡 ポリオの泉 トルコ efes ephesus turkey
ポリオの泉 丘上にある

アレクサンドロス史のみならずエフェソスは重要な街です。
キリスト教のエフェソス公会議(431年)も有名ですが、この地は聖母マリアが晩年を過ごした場所といわれています。史実として確定はしていませんが、近郊にマリアの住居跡があり大人気の聖地になっています。

エフェソス 聖母マリアの家 st,maria house ephesus turkey
聖母マリアの家 巡礼者の行列

初期のキリスト教史は、イエス没後に書かれた聖書だけが頼りで、300年以上も古いアレクサンドロス大王史より不明瞭です。もし本当にパレスティナのマリアが晩年を過ごしたなら、エフェソスの歴史的価値もさらに増すでしょう。

エフェソス 聖母マリアの家 st,maria house ephesus turkey
聖母マリアの家 祈りを捧げる姉妹

次は「消えた海 ミレトス」に向かいます。

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参照「図説アレクサンドロス大王」森谷公俊 /鈴木革 「アレクサンドロス大王東征記」アッリアノス

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