alexander’s journey didyma turkey アレクサンドロス大王の旅
前4世紀、アレクサンドロス大王はペルシア討伐に出発
中東を経てからインドにいたる旅を21世紀に歩きます
ディディマは前出のミレトスから20km、ミレトス管轄下の有名なギリシアの聖域です。
上地図:ダーダネルス海峡を渡ってアジア上陸したマケドニア軍は、トロイにてアキレウス墓に参拝、そしてグラニコス川合戦で大勝利。さらにペルシア西都サルディス、またエフェソスを無血開城した。
ディディマは東征記には登場しないのですが2回訪れました。
1回目は、辺鄙なミレトス探しに時間がかかったために予定外の投宿。
そして2回目は、初回の感動からわざわざ予定に組みました。
ディディマのアポロン神殿は古代ギリシアの権威ある神託所で、BC5世紀にペルシアが破壊しましたが、アレクサンドロス大王のミレトス解放後に復旧がなされ、美しい佇まいを取り戻しました。もちろん大王自らも、神託を受けたと伝えられています。
ミレトスの南の丘陵地帯を海沿いに巻いて下ると、町の手前にあるアポロン神殿に到着します。
神殿は閑静な家々で囲まれており、その一つが小さなペンションです。他には宿泊客もなく、宿の主は眺めの良い小部屋に案内してくれました。
なんという贅沢。窓の真下にアポロン神殿が見えます。部屋に居ながら観光ができるのです。
上写真:アポロン神殿は縦長プランで、長さ120m、幅60mという巨大建築。周囲の人間と比較すればその大きさが分かる。なお左奥に見える明るい壁の民家が筆者が泊まったペンションで、窓の下に神殿が一望できる。
のんびり遺跡を回ってみましょう。
古代ギリシアで4番目の大きさというアポロン神殿ですが、1時間もあれば見学できます。
現在は修復された数本の巨大円柱が立っており、その他の柱基部も良く残っているので、それを組み合わせて脳内で列柱回廊を復元するとその壮大さに圧倒されます。
神殿の四方は壮麗な階段で囲まれており、莫大な石材の量にも驚きます。
周囲に散乱する石材には、秀逸な彫刻品もあるので、見落としの無きよう気を付けたいところです。
小部屋の窓から、夜のライトアップされたアポロン神殿を眺め、のんびりビールを飲みます。
世界でここだけの贅沢、リラックスできる時間です。
次は美しいエーゲ海の港、ハリカルナッソス(ボドルム)へ行きます。
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参照「図説アレクサンドロス大王」森谷公俊 /鈴木革 「アレクサンドロス大王東征記」アッリアノス