alexander’s journey sardis turkey アレクサンドロス大王の旅
前4世紀、アレクサンドロス大王はペルシア討伐に出発
ギリシアからインドにいたる旅を21世紀に歩きます
ペルシア軍との初戦「グラニコスの戦い」で快勝したギリシア軍。
次はペルシアの西都サルディスを目指します。
所要日数の記録は残っていませんが、グラニコスから山間を南下、約270kmにサルディスは位置しています。
グラニコス大勝利の噂はすでに伝わり、サルディスは砦や財貨をすべて献上、いわゆる無血開城でした。
サルディスは、小アジア西端のリゾート都市イズミールから内陸に入った田舎町サリヒリの近くにあります。
たいへん古い都で、紀元前8~6世紀に栄えたリュディア王国の首都でした。
その最後の王クロイソスは、ヘロドトスの「歴史」に描かれた有名人物です。
クロイソスがペルシアに敗れた後も、小アジア支配の中心としてペルシアに維持され、エーゲ海諸都市と小アジア奥地を結ぶ要衝として栄えつづけました。
ペルシアは「王の道」という有名な交通網で世界各地を結びましたが、サルディスは西の軍事拠点でした。
小アジアのエーゲ海沿岸にはイズミールはじめ多数の海浜リゾートが密集しており、内陸の地味な遺跡を訪れる観光客は稀です。
くわえて幹線道から逸れており目立つ案内標識もないので、気まぐれ客など相手にもしない、まさに「一言さんお断り」的な遺跡です。
遺跡へは2回訪れましたが、いつも観光客は皆無。
地元の羊飼いが仕事中に腰を下ろして休んでいました。
でもその佇まいが遺跡好きにはたまりません。たっぷり古代ロマンに浸れます。
遺跡内はほとんど瓦礫状態ですが、中心にアルテミス神殿の巨石列柱がドーンと並び見ごたえあります。
遠目にはサイズが分からないのですが、近くに寄ると存外な大きさに圧倒されます。
苔むして黒ずんだ石肌もなかなか味わいを見せています。
辺りの山々も深い緑に包まれ、風がなければ完全な静寂です。
遺跡の石材に腰を下ろしていると、心が澄みわたるような感じがします。
さてサルディス観光には意外な付録がありました。なんと温泉です。
遺跡からサリヒリに戻り、南の山奥に入ると狭い谷間に温泉地があります。しかも観光化したものではなく、地元民が利用する自炊キッチン付きのコンドミニアム型です。
白状すると、2回目のサルディス訪問はほとんど温泉目当てでした。
海浜の明るいエーゲ海リゾートも良いのですが、それに飽きた頃の山の温泉は格別です。
水着の大浴場もありますが、部屋にも大きな浴槽があって、なんと源泉かけ流しです。
「この贅沢を日本で味わうと幾らかかるのかな?」などと小心者は思います。
次はエフェス、明るい海浜の洗練された遺跡に向かいます。
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参照「図説アレクサンドロス大王」森谷公俊 /鈴木革 「アレクサンドロス大王東征記」アッリアノス
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