Travel iran chogha zanbil
謎の古代建築ジグラートを訪れます。
歴史大国イランには有名な古代ペルシアの旧都ペルセポリスや、イスラム建築の至宝である王都イスファハンをはじめ計24件(2023年現在)の世界文化遺産があります。この数は同じく歴史大国である日本の文化遺産の20件を凌いでいます。
でもそのなかに「ジグラート」が含まれていることはあまり知られていないようです。
ジグラート(ziggurat)はジッグラトとも呼ばれ、上部に神殿を載せた3~7段の多層基壇の聖塔です。およそ紀元前三千年期の南メソポタミア(現イラク南部)を中心に、各都市に1基ずつ合計20数基があったといわれています。
なかでも旧約聖書(創世記11章)の「バベルの塔」は有名で、『塔を建てて、その頂を天に届かせよう』と建築の並外れた高さが伺われます。バベルとはヘブライ語で、現イラクのバビロンを指します。
イランのジグラートの知名度が低い理由に、遺産登録が「チョガ・ザンビール」という古代都市名になっていることが挙げられます。つまり名称からはジグラートの存在が見えません。くわえてイラン南西部、イラク国境付近というロケーションからメジャーな観光地になりにくいという理由もあるでしょう。
一般にイランの歴史は古代ペルシアから始まるのですが、チョガ・ザンビールはもっと古い紀元前2500年頃に興ったエラム王国の都でした。エラム王国は位置的にまた標高からみても南メソポタミアの影響圏にあり、「ペルシア≒イラン高原」という概念から大きく外れています。その結果、華やかなペルシア帝国に比べて世界史での露出が少ない王国です。
しかしジグラートは現存するなかでは最大規模で、保存状態も良好であるため古代史ファンならぜひ訪れたい遺跡といえます。
塔はエラム最盛期の紀元前13世紀に建てられたもので、ほぼ東西南北に四角を合わせた正方形プランを持ち、1辺が105m、現高28mという大きさです。これでも十分に大きいのですが、復元イメージでは5層、高さ53mが見積もられる巨大建造物です。
またジグラートを囲むように大小の遺構が密に並んでいるのですが、これら付帯施設を含む神殿域の広さは約450×350mという途方もないサイズなのです。
ジグラートには2007、2011年の過去2回訪れました。
初回は5月で、季節のせいか黄橙色の酷い砂嵐で、濁った霧に包まれたような景色でした。
しかし2回目の9月は快晴に恵まれ、駐車場から見える巨大な塔はピンクの地色が青空に映えて、あまりの喜びに小走りで駆け寄ったことを覚えています。
今から3300年も昔の建物ですから、存在自体が不思議でさすがに細部構造までは残っていません。
それでも壁レンガには楔形文字のレリーフがあったり、呆れたことに建設段階でできた人間や動物の足跡が残っていたりします。
「今から3300年前の足跡か~」と思えば、なにか不思議な気分に包まれます。
過去2回の訪問は、いずれも地元民を含めまったく他の観光客がいませんでした。
人気の世界遺産では、溢れかえる観光客に閉口することもしばしばです。名前は挙げませんが、某所では参道がお祭りのように隙間なく人間で埋まっていました。
「うわー、この黒い絨毯は全部髪の毛だよー」と思って、気持ち悪くなったことがあります。
そうは言っても、この巨大で世界的な建造物の寂しさはいかがなものでしょうか?
いずこの観光地も同じですが、遅かれ早かれ到来する観光ブームです。
あまり例を見ない「ひっそりした世界遺産」、冒険旅行にいかがでしょうか?
コメント
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